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現在の状況  

 私の妻は20代前半に発症し、歩行時のふらつき、何もない場所での転倒が頻発し悩んでおりました。総合病院で診察を受けた事もあったようですが、当時はこの病気の知名度があまりに低かったせいでしょうか、原因がまるでわからず、いくつかの病院の診療科を回ってみても判明せず。しかたなく悩み続けていた状態でした。
 結婚3年目の年にとにかく高度な医療機関で再度診察を受けてみようという事で順天堂大学病院を選び、「総合診療科」という所で最初の診察を受けました。当時は妻もある程度一人で歩ける状態だったので、病院の受付まで送った後、私は千代田区内の事務所に出勤し妻からの電話を待っていました。
 妻からの電話があったのはそれから4時間後くらいだったでしょうか、泣きながら震える声で「大変なことになった。小脳の病気だって…」私はすぐに病院に駆けつけて、妻と一緒に「脳神経内科」の先生から『脊髄小脳変性症』との宣告を聞きました。

 帰り道どうやって帰ったか覚えていません。自宅マンションのドアを開けて部屋にはいるなり妻は泣き崩れました。どうにか寝室に連れて行き寝かせて、泣き疲れたのかしばらく眠っていましたが、1時間ほどたって目覚めた時に、今日の出来事が夢でなく現実の事と悟ったのか、再び大声で泣き始めました。この時ばかりは私も何もしてあげる事が出来ず、一緒に声を上げて泣きました。

 それから8年経ち、これまで出来た事が少しづつ出来なくなっていきました。基本的に外出時は常に私が介助して歩行します。家の中では必ず手で掴む場所があるように家具を配置し、簡単な掃除と洗濯、洗い物は妻がやっています。ガスの火で物が爆ぜる音に異常に反応してしまうので、料理は専ら私がやるようになりました。工夫次第でまだまだそれほど不自由はなく生活は出来ている状況です。

 病状については妻の場合特につらいのが「目の」疲れで、眼震のせいかひどく目が疲れるようで、常に目の焦点が定まらず、日によっては目を開けていられないようでかなりストレスになるようです。

 妻の、同じSCD患者の知人の中にはもっと症状が重く進行している方もいらっしゃるので「まだ恵まれているよ」と励ますのですが、つらい事には変わらないのであまり励ましにはならないようです。 それでも励まし続けたり、時には愚痴を聞いたりと妻のメンタルの状態を管理するのも、生活介助と同じように重要な事だと思って続けています。
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